監督:牧原亮太郎
出演:
2009年に34歳という若さで早逝した、
伊藤計劃(いとう けいかく)の2009年の3作目をアニメ化した作品。
但し、伊藤計劃が残した長編3作を全て映像化するという、
企画「Project Itoh」の作品としては、
「屍者の帝国」はその最初の1作目の作品となっている。
また、伊藤計劃が30ページ分のプロローグを書いたところで早逝したので、
この作品はその後を円城塔が引き継いで完成させたものであるため、
伊藤計劃の作品とは言えないかもしれない。
舞台は19世紀末のロンドン。
「屍者技術」というもので、死者を兵士や労働者にできる世界。
主人公のジョン・H・ワトソンは屍者技術者で、
死者に魂を入れられるという、フランケンシュタイン博士の手記を探す。
しかし、世界を屍者の帝国にして平和にしよう、
という者が現れ、それと対峙する事になる。
という事で、円城塔が引き継いで完成させた作品ではあるが、
テーマは「虐殺器官」や「ハーモニー」と同じで、
理想的な人間社会というのは、
暴力や残酷性に溢れていても自由で感情的な世界であるべきなのか、
それとも、自由や感情を抑制して暴力や残酷性の無い世界であるべきなのか、
という事を問う作品になっている。
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