監督:戸田彬弘
脚本:守口悠介 道尾秀介(原案)
撮影:根岸憲一
音楽:茂野雅道
出演:津田寛治 駒井蓮 勧修寺保都 松本穂香 内田理央 西山繭子 筒井真理子
偽りが無い自分、偽りが無い人生、
本当の自分、そういうものが、本当にあるのだろうか。
自分が何者であるか、というのは、
他者との相対的な人間関係の中にあって、
多くの場合で「本当の自分」と表現しているものは、
「そうなりたい自分」なのではないだろうか。
津田寛治が演じてる中村正男は、
すごく簡単に言えば、人生に迷っている。
しかしそれは「本当の自分」探しをしているわけではなく、
自分がどうしたいのかを探していて、
それはやはり幸せな家庭を築くことなのだと。
駒井蓮が演じている葉山笑子は、
一見すると「本当の自分」探しをしているようであるし、
笑子もそう思って行動しているのかもしれないが、
やはり結局はそうではなく「そうなりたい自分」になれない、
ということでもがいているのだと思う。
お父さんとお母さんがいる家庭の娘でありたいとか、
それと似た意味で、水商売で働いていないお母さんの娘でありたいとか、
多くの友達に囲まれた人気者でありたいとか、
クールな感じではなく、明るく感情的でありたいとか、
そういう「そうなりたい自分」。
でもそれは結局、正男にしても笑子にしても、
やはり、どうにもできないことはどうにもできないし、
しかしながら、努力次第でどうにかできることもあるわけで、
そうであることに気が付いて終わる、
ということなのだと思う。
シナリオや演出が、ちょっと悪い感じなので、
良い作品であるとは言い難いのだが、
駒井蓮は可愛いし魅力的なので、
そして、テーマ性も悪くはないと思うので、
まあまあの作品ではあると思う。
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