2019年11月18日月曜日

青の帰り道 2018 日本

監督:藤井道人
脚本:藤井道人 アベラヒデノブ
撮影:石塚将巳
音楽:岩本裕司
出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔 工藤夕貴 平田満

とてもストレートな、
若者たちの群像劇。
青春後の話なので、青春ムービーではない。
あるあるであるが故に、
共感性は、とても高いと思う。
ただ、共感性の高さ=良い映画、良い作品、
という事ではないのが難しいところ。





それから、
生きる道は1つではない、
思い描いていた理想の生き方はできなくても、
それでも生きて行こう、
仲間同士助け合って寄り添って生きて行こう、
仲間がいれば幸せ、家族がいれば幸せ、
というようなメッセージは伝わるし、共感もできるが、
しかし、まだ20代半ばぐらい若者たちが、
そういうところに落ち着いてしまうのも、
どうなのかな、という気はする。

諦めるのが早過ぎないかなって、
理不尽な世の中に対し、
それに抗う、それを変えて行こう、
というような部分が、
どの登場人物にも無くて、
そこには強くモヤモヤが残る。
ほら、夢なんか追うからそうなるんだ、
イキがっても世の中は変えられないよ、
それはそうかもしれないが、
特に若者は、それでもチャレンジするべきなのではないか、
というモヤモヤした感じは残る。

そういう意味では、大人目線、親目線の、
上から目線の、やや説教臭いメッセージが強いし、
それから、タツオの親については、
部屋をそのままにしてある、という事において、
子供であるタツオを大切に想っていてんだ、
という事ではあるが、
「お前のためだ」は大概にして嘘であるし、
生きてる時に、もっと良い接し方があったと思うし、
キリの親についても同じで、
子供頃のエピソードで、
やはり、子供であるキリを大切に想っていたんだ、
あるいは、タツオの親との会話で、
実は理解ある親である、
という事ではあるが、
不器用だからって、
今まではそういう態度で子供のキリを苦しめていた事は確かであるし、
どうせ失敗するんだから、という態度や言動は、
親や子供と接する大人として、最悪なのではないだろうか。

そしてそれを、親も人間なんだとか、
自分も親(大人)になってみたらわかる、
みたいな事で良しとしてしまうのは、
やはり違うように思う。
もちろん、許し(赦し)合う、受け入れ合う、
という事は大事だが、
もう少し、それと強く衝突して、戦って、
自分の道を切り開いていく、
という感じ欲しかった。
カナにしてもリョウにしても、
世の中の理不尽さに対して、
簡単に受け入れてしまったり負けてしまったり、
という感じが強くした。

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