2017年11月5日日曜日

ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 1992 アメリカ

監督:デヴィッド・リンチ
出演:カイル・マクラクラン シェリル・リー

日本でも大ヒットしたTV版「ツイン・ピークス」の映画版で、
TV版では明確に示されなかったローラ・パーマーの死の謎が解き明かされている。
つまり、ツイン・ピークスのエピソード・ゼロ。
日本ではそうでもなかったが、アメリカでは、
なかなかローラ・パーマーの死の真相に迫ることがなかったTV版は、
視聴率が低迷して打ち切りになった、
という事情があったようで、
それを受けての映画版というのは、
かなり明確にローラ・パーマーの死の真相が描かれている。




デヴィッド・リンチを考察

ちなみに、デヴィッド・リンチの描く世界というのは、
簡単に言えばナイトメア(悪夢)で、
それは寝ている時に見る悪夢と現実世界にある悪夢のような出来事、
その2つが総論的な映像の世界観になっていると思われる。

そして、その総論的な世界を構成する各論的な要素が、
悪の世界と善の世界が存在し、また、その狭間の世界が存在する、という事と、
キリスト教的な宗教観と、異質な者たちと、音、という事。

キリスト教的な宗教観というのは、不倫であったり、近親相姦であったり、
淫乱であったり、そういう要素を罪、つまり、悪とするものであり、
悪の世界の人間はその罪を犯し、あるいは、その罪を犯した者が死する場合が多い。

それから、異質な者たち、というのは、簡単に言えば、障害者であったり、
容姿が不気味であったり、そういう者の存在で、
健常者がそういう者たちに抱く嫌悪感であったり恐怖感であったり、
あるいは、それとは真逆に、不思議さであったり善良さであったり、
その二面性のある感情やキャラクターを世界観に落とし込んでいる。

また、音、というのは、大きな音、不快な音、というのは、
ナイトメア(悪夢)や恐怖感の象徴であり、
特にデヴィッド・リンチというのは、音に不気味さを感じているのだと思う。
しかし、その一方で、心地よい音楽、
というものがデヴィッド・リンチの作品の中では流れるシーンがあり、
その対比に中毒性がある。


0 件のコメント:

コメントを投稿