2018年10月15日月曜日

ふきげんな過去 2016 日本

監督:前田司郎
脚本:前田司郎
撮影:佐々木靖之
出演:小泉今日子 二階堂ふみ 高良健吾

二階堂ふみの作品としては、
『ほとりの朔子』と似たような雰囲気だったが、
まどろっこしいがアップテンポの会話と、
シュールな笑いが面白い作品となっている。


何となく昭和感が漂うのは、
ロケーションがそうだから、という事もあるが、
爆弾でヤクザの事務所をふっ飛ばし、
それが原因で行方をくらまし、
死んだふりして逃亡生活を続け、
海外へ渡って世界を改革するんだ、
という薄っぺらい男もいて、
という要素が、
昭和に存在したある若者たちを連想させるからだろう。

そんな小泉今日子が演じる叔母(実は母親)の未来子が突然現れ、
という事から物語は展開するのだが、
川に棲んでるというワニをずっと倒そうとしている女とか、
エレベーターに挟まれて足を失った男とか、
とにかく、ブラックユーモアな小ネタが満載で、
そういうものが好きな人には面白いと思う。

お父さんが板尾創路だったり、
シティボーイズのきたろうと斉木しげるも、
ちょっい役で出演しているのだが、
その顔ぶれだけでも、
シュールな笑いの世界観である事は想像できると思う。

母親は爆弾事件を起こして失踪し、
その事件のせいで父親は指を失い破産。
昔起こった子供の誘拐事件も母親が犯人なのではと疑っていたり、
そういう過去を背負っている二階堂ふみが演じる果子は、
常に不機嫌で、学校でもうまくいかず、
未来を悲観し、退屈な毎日を過ごしている。

しかし、果子がわかっていると思っている未来は過去のことで、
未来というのは、予期せぬ事が起きるもの。
退屈だと思っている未来にも、何か驚く事が起きるかもしれない。
もちろん、それが良い事だとは限らないが、
結局、退屈さから抜け出そうとした母親の未来は、
どうしようもないものだったが、それもまた人生。

何となく、果子も母親と同じような人生になるのではないか、
というような終わり方で、
ニューシネマ的な作品であり、終わり方だと言えると思う。
不条理さにおいて、世界を牛耳る圧倒的な力において、
個人は無力であると。
ただ、そうではあっても、それに抗う事も、
また人生であり、未来を作るとは、そういう事なのではないかと思う。

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