2018年11月18日日曜日

ナラタージュ 2017 日本

監督:行定勲
脚本:堀泉杏
撮影:福本淳
出演:松本潤 有村架純 坂口健太郎

二面性と対比というものが、
とても上手く描かれている作品だと思う。

有村架純が演じる工藤泉は、
不幸であったり理不尽なことがあっても、
報われない恋にズルズルと引きずられていながらも、
それでも生き続けたり、
それには完全に引きずられない強さも持っている。




松本潤が演じる葉山貴司は、
優しさや正義心も持ち合わせているが、
ズルさだったり弱さも持ち合わせている。

坂口健太郎が演じる小野怜二は、
好青年ではあるが、
負の側面も持っている。

そして、葉山貴司と小野怜二の対比というのも、
青年と大人の男、という対比で上手く描かれている。

当然、先生と生徒、という対比もある。

更には、現在と過去、という対比もある。

それぞれの二面性と、
それぞれの立場からの相手と、
その感情と行動の矛盾であったり、
あるいは、お互いの気持ちのすれ違い、温度差、
というものが、終始描かれている。

ハッキリ言って、すごく感動するとか、
すごくセツナイとか、そういう感じではない。

むしろ、二面性というのは矛盾性でもあり、
その人間の性(さが)を見せられる作品であり、
モヤモヤした感情になる。

ただ、それが人間だ、という意味では、
そういう納得感もある。

それから、作品全体が、美しく情緒的な映像と、
文学的な語り口で綴られていくので、
2時間を越える140分という長さながら、
最後まで飽きずに観られる。

当然、松本潤や有村架純が好きな人にとっても、
間違いなく楽しめる作品になっていると思う。

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